PAST ACTIVITY
差別の問題は、差別される側が「これは差別だ」と声を上げていくことによってしか、問題解決への道は開かれないと言われます。差別される側(社会的弱者)が、さまざまな不利な条件を乗り越えて声を上げなくてはならないという厳しい現実です。しかも、今、声を上げたとしても、解決するのはまだ先のことです。それでも声を上げることが重要なのは、それが「種まき」みたいなものだからかもしれません。たとえ今は無理でも、将来必ずや実を結ぶ…… そう信じて、困難な中を先人達は道をつけてくれました。
蒔かなければ種は出ません。蒔けば、ゆっくりでも芽が出ます。蒔いた種のうちほんの一つでも二つでも芽が出れば、一人ひとりの中に広がって、芽を出し、枝葉を広げ、やがて新しい種が蒔かれます。
Sさんご夫婦の間でも、意見の違いや感情的な対立が生じたときもあったとお聞きしました。女性と男性の感じ方の違い、社会の中での位置づけの違いなど、私たち一人ひとりの中に無意識に埋め込まれたジェンダー(文化的・社会的な性差)に、家庭の中で夫婦が直接向かい合う状況になるのですから、さぞたいへんだったことと思います。
そうした困難がありながらも、大きな見えない壁を乗り越えるべく、現実の見える壁(行政の対応)に風穴を開けようと、お二人で力を合わせられたことに心を打たれました。
今のところ、当該の誰からも、一言の謝罪も、誠意ある対応もないそうですが、たとえそうであったとしても、「種」は確実に蒔かれたと感じます。
皆さんは、いかがお感じになったでしょうか。
ご意見・感想などありましたら、ぜひお寄せください。お待ちしております。 (大本)